セトイチ 風が吹いたら

「ぴぃ、ぴぃ、ぴゅう」
風の歌にのせられて木の葉が踊る。
冷たい空気に磨かれた景色は、
淀みなく澄んでいる。
猫は陽だまりであくびをし、
犬は明後日に向かって吠える。
風がひとつ吹くたびに、季節は進む。
道ゆく人の吐く息は白くなり、
服の色は黒くなる。
背中を丸めて家に帰れば、
食卓に初ものが並んでいたりする。
それならば、と取っておきの酒を出す。
風が吹いたら、酒が深くなる。

冷たい風が美味しくする、コク深い酒。

頬に当たる風が冷たくなり始める初冬は、コクのある酒が美味しく感じられる季節です。
季節の深まりと、潔く澄んだ風。そんなイメージで、コクと幅がありながら良質な軽さのある酒を目指しました。

米の地力を濃醇に引き出す、十水(とみず)仕込み。

精米歩合70%ならではの良い酒を目指して選択した十水仕込み。
通常より1~2 割ほど少ない水(米と同じ合数)で仕込むことで米の濃度が高い状態で発酵が進み、濃厚な酒に仕上がります。
この『風が吹いたら』は、十水ならではの濃醇さがありながら、切れの良さも兼ね備えた酒になりました。

この濃醇な酒は、水で割っても善し。

そのままでも美味しくいただけますが、度数が高く濃醇な酒なので少し薄めてお飲みいただいても
また違う味わいを楽しめます。薄める際は日本の水をお使いください。水の量は酒に対して
5~15%を目安にお好みの味を探っていただければ幸いです。マグロなど味の濃い刺身がよく合います。

セトイチ 風が吹いたらの商品画像

セトイチ 風が吹いたら

水の割合を減らし、 米の地力を引き出す「十水仕込み」。
コク深く幅がありながら、良質な軽さのある酒。

杜氏よりお客様へ

精米歩合70%は精白が白くないからさぞ味が出るかと思いきや、溶けなくて粕ばかり出て薄っぺらい酒になり、65%の方がうまく溶解して味のある酒になる経験を幾度かして参りました。70%ならではの良い酒を造りたくて十水仕込みを遣ってみました。水の量は少なく、酛と麹の使用割合は昔の教本にならいやや多めにしました。

いつもは酵母に負担をかけないよう、アルコール度数が上がりすぎないように注意を致しますが、今回は我慢して様子を見守りました。実際仕込んでみると、精白のせいか酵母や水の力が強いのか、濃厚濃糖状態にもかかわらず、立ち上がりから元気この上なく順調な経過を辿りました。味は濃醇でありながら、意外なくらい切れが良く力強い仕上がりになりました。

ビン詰に際し、原酒(19.6 度!)も含め色々試し、16.5 度と18.8 度に味がまとまるポイントがみつかりました。今回は度数高めの方でお出ししますので、少し薄めてお飲み頂いても楽しめると思います。その時の水は、日本の水をお使い下さい。
浄水器の水でも大丈夫です。軟水であっても外国のミネラルウォーターは不思議とマッチし難いです。加える水は、酒の量に対して5~15%を目安にお試し下さい。

タイプ
  • 特別純米酒
  • 十水仕込み
  • [生貯蔵酒]
原材料名
  • 米(国産)
  • 米麹(国産米)
アルコール分 18度
精米歩合
  • 麹米70%(山田錦100%)
  • 掛米70%(山田錦100%)
使用酵母
  • 協会6号
日本酒度 ‐10
酸度 1.7
容量・価格
720ml 2,200円(税込)
300ml 1,100 円(税込)
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