瀬戸酒造店の想い

Our philosophy

日本酒のよろこびを広げたい。

日本酒と、その醸造に欠かせない発酵は、地域の気候風土と密接に結びついた豊かな食文化の象徴です。瀬戸酒造店は、そんな日本酒と発酵の魅力を探究し、国内のみならず世界に向けて提案・発信することで、地元である開成町を象徴する存在となり、地域の活力を高めることを目指しています。

日本酒は、日本で古くから続く伝統文化ですが、その可能性はまだまだ残されています。伝統に敬意を払いつつも、常識に縛られることのない自由な発想と態度で、日本酒の新たなおいしさ、楽しみ方、豊かさを発見したい。そして、その発見を共有することで、日本酒という文化をさらに発展させ、世界中の食文化をより豊かにしたいと考えています。

日本酒の原料である米と水は、開成町の魅力のひとつである美しい風景と結びついています。地元農家と協力して酒米の栽培を推進することは、昔から変わらない田園風景を守ることにつながります。また、自然環境の恩恵を受けた地域の水を活かした日本酒が評価されることで、自然を大切にしようという町民の意識を高めることができます。瀬戸酒造店は、日本酒造りを通して町の美しい風景を創り、維持することができると信じています。

Our history

私たちの過去と現在、そして未来

︎1865年

創業瀬戸酒造店は、慶応元年(1865年)創業。神奈川県開成町の酒蔵です。開成町のある足柄平野は、土地が平らで水源が豊かなことから稲作に適していたため、かつてはそのほとんどが水田で占められていました。なかでも、瀬戸酒造店のある一帯は酒米づくりが盛んだったことから、酒田村と呼ばれていました。瀬戸酒造店は代表銘柄だった『酒田錦』などが人気で繁盛し、最盛期には600石(約10万リットル)の酒を醸造していましたが、杜氏をはじめ蔵人の確保が困難になったことを理由に1980年から自家醸造を中断していました。

2018年

再始動水が綺麗でおいしい開成町の魅力を伝えたい。酒蔵を町の活力にしたいという想いから、醸造を再開することとなりました。醸造の中断から実に38年。まさにゼロからの再始動。古い蔵は解体し、新しい蔵を建てました。素晴らしい杜氏とも巡り会えました。いよいよ肝心の酒造りですが、果たしてどんな酒を造るべきか。私たちは【伝統、革新、開成町らしさ】という3つの軸を見出しました。小さな蔵には似合わない多彩な銘柄。「どれを飲もうかな」と悩むことも含めて、日本酒を楽しんでいただければ幸いです。

【伝統】
瀬戸酒造店の酒造りの歴史は、一旦途切れてしまいました。その歴史をもう一度繋ぐために、古い蔵に住み着いてきた蔵付き酵母で造った酒が『酒田錦』。かつての代表銘柄の復活は、瀬戸酒造店の伝統の象徴です。

【革新】
日本酒の可能性を切り拓きたい。もっと多様な楽しみ方をしてほしい。そんな想いを社社が自由な発送で造るのが『セトイチ』シリーズ。個性が異なる16種の銘柄がずらりと並び、それぞれの個性を表現したラベルは眺めているだけでも楽しい。このワクワクこそが日本酒の可能性です。

【開成町らしさ】
開成町はあじさいまつりが有名で、田園地帯に咲く花をたくさんの人が観にきます。町花にも制定されているあじさいの花から採取した酵母で酒を造ったら、町の雰囲気のように爽やかで綺麗な味わいの酒ができました。それが『あしがり郷』です。

“酔狂”を合い言葉に、世界へ

順風満帆というほど順調ではありませんでしたが、瀬戸酒造店の酒は少しずつ広がっていきました。チャレンジだらけのその道のりの中で、“酔狂で行こう”という合い言葉が生まれました。真っ直ぐに正解に辿り着けなくてもいい。ほろ酔い加減の、タガがちょっと外れたくらいのアタマで、常識にとらわれずどんどんチャレンジしていこう。そんな決意を表した言葉です。

自分たちの酒に自信を持った私たちは、ある大きな夢を抱くようになりました。それは、日本酒をワインと同じステージに上げたいという夢です。ワインは世界中で飲まれています。一方、世界規模での日本酒の消費量はワインのたった数パーセント。近年、海外でも日本酒への関心が高まってきているとはいえ、まだまだマイナーな存在です。世界はまだ日本酒を知らないのです。

日本酒の特長は、料理の味わいと寄り添うように余韻を広げること。とりわけ料理と合わせておいしいのは純米吟醸酒。世界には、それぞれの個性を持った料理があります。すべての個性と寄り添うためには、1本や2本の日本酒では足りない。世界中の料理とマリアージュできるだけの多彩な純米吟醸酒が、私たちにはあります。

世界中の人に、瀬戸酒造店の酒を楽しんでほしい。あなたの好きなあの料理と合う1本を見つけてください。