あしがり郷 零号∞

一本道をこつこつ歩き続けていると、
前を見てまっすぐ進んできたはずなのに
急に景色が変わることがある。
光が色を放ち、視界が広がる。
見えていなかったものが目に映る。
別世界に突入したかのような感覚。
旅の出発点にいた自分には
知り得なかった美しさを体感する。
零から一歩を踏み出させるのは勇気。
そして、無限に続く道を
歩き続けるには強い意志が必要。
探究とは、まだ見ぬ美しさに出会う
果てしない旅のことだ。

あじさい花酵母の究極を目指して。

あじさい花酵母の日本酒を探求する『零号(Zero-go)』には、初心を忘れずにチャレンジし続けるという思いが込められています。
そこから派生した『零号∞(MUGEN)』は、あじさい花酵母の特徴である果実感を最大限に引き出した究極の一本を目指しました。
零から一歩を踏み出し、そして無限に続く果てしない道を歩き続ける。瀬戸酒造店の探究によって表現された、美しい酒です。

果実感を引き出す独自の“乗醸仕込み”。

醸造過程で発現し、完成時には減衰しがちなブドウのような果実感。これを如何にして残すか。ヒントは貴醸酒にありました。
通常の三段仕込みは水・水・水と仕込みますが、貴醸酒は水・水・酒とすることで酵母の増殖を抑え、発酵を早めに止めます。
これに倣い、『零号∞』では三段目に瀬戸酒造店の銘柄をブレンドして投入。
発酵を穏やかにしてアルコール感を抑えることで、ブドウ感を引き出せるのではないかと考えました。
酒の個性を乗せて醸すことから“乗醸仕込み”と名付けました。

酸と甘みのバランス。ブドウのような芳香。

上品な甘さで、ブドウのような芳香が口の中に広がるこの酒は、時間をゆったりと過ごすのにぴったりです。
酒だけをじっくり味わうもよし、チーズやレーズンバターなどコクのあるものやドライフルーツを合わせて味わうもよし。
5~10℃に冷やして飲むのがおすすめです。
レモンなど柑橘系の果汁をひとたらし加えると、また違う魅力を発見できると思います。

あしがり郷 零号∞の商品画像

あしがり郷 零号∞

あじさい花酵母の究極を目指した
独自の”乗醸仕込み”。
ブドウのような芳香をまとった甘美な酒。

杜氏よりお客様へ

【始まり】 あじさい酵母の発酵過程の強い果実感をもっと出来上りの酒に生かす方法はないか、との発想から日本酒度が若目の内に発酵を終える、所謂貴醸酒をやってみたらどうかと云うのが計画の発端でした。

その様な訳で、貴醸酒に特徴的な醸成感よりもフレッシュ感のあるものを、又、せっかく仕込原料に日本酒を使う贅沢な造りなのだから飲んだ時に他にない豊かさを感じられる酒を目指しました。

技術指導の鑑定官の先生に相談したところ、貴醸酒については解らない事が多く、製造法としてオープンにされている方法では目指すフレッシュ感のあるものを造るのは相当むずかしいとの事でした。その様な訳で、製造したことのある蔵の方からも色々伺いながら手探りで開始しました。

【日本酒が若目(甘目)になる道理】 日本酒の酵母は、おおむねアルコール度11%以下で増殖が可能と云われていますが、仕込水として酒を使い発酵初発からアルコール分が有ると酵母数が醪の中で増えきれず、麹による糖化に対してアルコール発酵の進みがゆるやかになるからと云うものです。

何度も使っている酵母ではあっても泡つらが全く異なり、冷却していなくても昇温してゆかない等、不安の多いスタートでありました。どうなる事かと思いましたが、ピチピチフレッシュとは参らなかったものの、無事甘酸の調和がとれた豊潤な酒になったと思います。どうぞお試しください。


【追って書き】 味の濃い酒でしたので、15度台に薄めた方が良いかと思いラベルを印刷して貰ったのですが、ビン詰直近の唎酒で、全く割水をしないのが最善とわかり、急遽訂正シールを作り貼る事になりました。最初から最後まで手探り手探り貴重な経験でした。

タイプ
  • [生貯蔵酒]
原材料名
  • 米(国産)
  • 米麹(国産米)
  • 清酒
アルコール分 17度
精米歩合
  • 麹米55%(地元産吟のさと100%)
  • 掛米55%(地元産吟のさと100%)
使用酵母
  • あじさゐ花酵母
日本酒度 -29
酸度 3.0
容量・価格
720ml 2,750円(税込)
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