あしがり郷 零号2019【終売品】
初めて、というのは貴重な体験だ。
不安と期待が混ざった胸の高鳴りは、
二度目になれば
もう決して味わうことはできない。
経験値がゼロからイチになった瞬間に、
人は多くのものを得る。
その代償として、失うものもある。
大胆さ、夢想力、良い意味での非常識… 。
初心、忘れるべからず。
口で言うのは簡単なことだが、
ゼロだった自分は過去へ過去へと遠のく。
心のゼロ地点に旗を立て、
経験という荷物を背負って前に進む。
あじさい花酵母で醸す日本酒を探求。
あじさい花酵母で初めて醸した日本酒『零号』は、瀬戸酒造店にとって大きなチャレンジでした。
たくさんの助けを得ながら手探りでつくった酒は、とても爽やかな風味をもって生まれました。
これからも初心とチャレンジ精神を忘れないために、『零号』を通してあじさい花酵母の日本酒を探求していきます。
開成町あじさいまつり。
毎年、梅雨の時期には開成町あじさいまつりが開催されます。 他のあじさいまつりと違って、
景色がひらけた田園風景に咲き並ぶあじさいの花は珍しく、たくさんの人で賑わいます。
町の人々が大切に育ててきたあじさい。その想いを、日本酒にも込めました。
やわらかく、穏やかで、綺麗な味幅。
米のうまみがたっぷりと乗りながら、のみ口はとても軽やか。 酸に感じられる
あじさい酵母ならではの野性味と、全体の品の良さが同居した日本酒です。水のかたちがそのまま酒に表れた、
開成町の土地ならではの魅力を味わえます。冷たすぎない15 ~ 20℃くらいの温度で飲むのがおすすめです。
あしがり郷 零号2019【終売品】
あじさい花酵母で初めて醸した『零号』を復刻。
爽やかな味わいとともに、初心を記憶に刻む酒。
杜氏よりお客様へ
初代『零号』は熊澤酒造(株)にて、当店の井水を使って御蔵元はじめ蔵の皆さんご協力のもと、本当にあたたかい雰囲気のなか生まれました。
当初『零号』は、38 年振りの自醸再開を記念するとの意味合いから、蔵付き酵母で純米吟醸をという計画でした。しかし農大での試験醸造で、純米で造るならあじさいのM3 酵母によるものが一番向く香味だと思われたので、予定を変更して『零号』は地域を象徴する『あしがり郷』で造ろうということになりました。
蔵付き、あじさい両酵母とも何株もあり、そのうち発酵能力の確かな数点をあらかじめ農大の穂坂先生が絞り込んで下さったなかから、我々皆で最良と思われる一点を選びました。
試験は3 種の米(山田錦、雄町、吟のさと)、2 種の水(農大の水、当瀬戸酒造店の井水)、対照に協会7 号・9 号を加えた相当な数に及びました。先生はじめ研究室の皆さんのお骨折りには感謝してもしきれません。
水の違いは大きく、どれも当店の井水による物は味がべしゃべしゃつぶれず幅と透明感があり大変好ましく、これなら何とかやっていけるかもと少し気持ちが楽になったのを覚えています。(大学の水が悪いという意味ではありません)
私が参加するずっと前から始まった多くのご縁やご苦労がむだにならないよう、水や酵母や米が一番生きるところを今後ともさぐりさぐりし続けて参ろうという初心の酒です。