「縁を形にする」
蔵元をはじめ農家や応援くださる方々の思いを、
飲んで味わえる形に変換すること。
それが杜氏の担う仕事だと私は考えています。
“縁を形にする”と言い換えられるかもしれません。
気取った物言いに見えるかもしれませんが、当醸造所の場合は格別で、
長い年月造りを休んでいたのを多くの人が何年も奔走し、
ようやく再開できる運びになったからです。
私自身は2017 年の夏から関わったところでまだ日が浅いのですが、
大勢の方から「楽しみにしているよ」と声を掛けられます。
ぜひ、豊かで、飲む人の喜びとなるような酒を造り、
それらの声に応えたいと思います。
そのための酒に具えたいと考える事柄は、次の5点です。
- センターがしっかりしていること
- 良いものが持つ本質的な軽みがあること
- 静かであること
- 品の良さと荒々しさが同居していること
- 長所が欠点を上まわること
分かりにくい表現かもしれませんが、追いおいお酒の
上槽(搾り)のときを中心に、またお話しできればと思います。
今日お読みくださったことで始まったご縁が、
末長いものとなりますよう祈っております。